自分の「北朝鮮」のイメージは、
・ミサイルを打つ頭のおかしい独裁者
・飢饉
・気に入らない者は処刑
・自分や平壌が優先で庶民はぞんざい
・貧富の差がエグい
・教育で洗脳
という感じ。
実際はどうだろう?という疑問をもってこの本を読んでみました。
…
ほぼイメージ通りでした。
ただ、
「頭のおかしい独裁者」ではなく
「コンプレックスが強い独裁者」にイメージが変わりました。
●コンプレックス
金正恩体制になって始めのうちは多少経済が良くなったので、国民からの期待があったようです。
父の金正日が秘密主義であったのに対し、祖父の金日成を意識した人民と触れ合う政治手法を真似したと。
金正恩は幼少期をスイスで過ごし、同じくスイスに留学経験もあり、国際社会から北朝鮮がどう見られているか分かっている。
国際社会と比べて恥ずかしくないように国を良くしようという意識はあったっぽいです。
でもなかなか上手くいかない。
正恩はトップになってから体重が90kgから130kgになり、原因はストレス太りと言われているそうです。
核に関しても、それしか国際社会に対抗できるカードがなくなってしまった感が否めない。
国際社会へのコンプレックスから、能力があるように見せることに必死で、駄作ばかりになってしまったんじゃないかと。
●独裁者ぶり
気に入らない者には厳しい罰を与えるというイメージもそのまま。
北朝鮮はサッカーなどスポーツに力を入れているそうですが、思うような成績が残せなかった場合、炭鉱で強制労働をさせられたり、収容所に入れられるケースもあるそうです。
その他に、自分の立場を脅かす恐れのある正男(腹違いの兄)の暗殺。
難癖をつけて外国人を拘束し人質にとって、外交に使う。
業績の悪いスッポンの養殖場の支配人を処刑(本には処刑された可能性が高いと)。
江戸時代みたい。
●国民
平均月収は日本円で357円ぐらい。
スマホは普及しつつあるけど庶民が持てるのは北朝鮮スマホでネットやSNSは存在すら知らない人も多い。
スマホで写真を撮るのが流行っているそう。
幼少から徹底した指導者崇拝教育を叩き込まれており、取材で質問しても誰もが模範回答。
ただ、エリート教育はレベルが高く、サイバー攻撃能力などはアメリカのCIAにも劣らないレベルらしい。
●今後
北朝鮮には破滅の道しかないのではないかなと思います。
北朝鮮の主な外貨稼ぎに、巨大銅像(一体数億)と労働者の派遣(年間12〜23億ドル)があるそうですが、どちらも制裁で止められているそう。
著者は制裁は穴だらけでモグラ叩きに過ぎないと言っていますが、かなり痛いとは思います。
また、
北朝鮮と韓国の間で問題が起こると、制裁として韓国側は軍事境界線付近で拡声器で宣伝放送をするそうです。
内容は、韓国の流行歌など。
韓国が羨ましくなって、それが脱北をするキッカケになったりすると。
核を頼りに国際社会に近づくようにしている北朝鮮ですが、国際社会に近づくほど国民も世界の情報に触れざるを得ないことになるのではないかと思います。
北朝鮮の国民が情報に触れることで、内側から崩壊していくのではないかと思いました。
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